足の健康を考えたフルオーダーの靴
フットケアサロンで、足の悩みを抱えているお客様のほとんどが靴に悩みを持っています。
足にとって靴は必要不可欠です。
そこで、フットケアだけではなく、シューフィッターの資格を取ったり、靴屋さんに行ってありとあらゆる靴を履き試したりしていました。
でも・・靴を作っている方のお話が聞きたい
そんな思いからインタビューを快く受けてくださった靴職人さんのご紹介です。
銀座の裏通りに昔からのフルオーダーの靴屋さん、てつじ屋。
今回はこちらの代表である哲司さんのインタビューも交えての記事です。
手元に届くまで3年要するフルオーダーの靴
てつじ屋さんのフルオーダーの靴は、手元に届くまでなんと!3年以上かかるそうです。
それでも、てつじ屋さんの靴を愛し、信頼し、仕上がりを待っている多くのお客様がいらっしゃいます。
自分の足を熟知してくれている職人の手で仕上げられた靴。
その靴が自分の手元に届くまで、心をワクワクさせながら待っているなんて、まるで「恋人を待つ気分」ですね。
さすがに靴が仕上がるまで3年は長い・・・
でも手にした時のクオリティの高さ、そして歩きやすさに驚きを隠せないかもしれません。
足がストレスを感じず歩け、何より手入れこそきちんとしていれば永遠に履ける靴。
それを知ってるからてつじ屋さんの靴はお客様に愛され続けているんですね。
最近は「オーダー靴」とうたっている靴でも
セミオーダーだったり、前もって用意されている木型から選ぶオーダー靴が多いように見受けます。
てつじ屋さんのフルオーダーの靴は
実寸を図るだけではなく、足の肉感、足指の長さはもちろん、履いた時の感覚
それをとっても大事にしています。
だからこそ、経験を積んだ知識と技術、そしてセンスが必要になってくるんですね。
仕上がった靴は履くのが勿体ないほどのフォルムの美しさです。
履いてこそ、この靴を作った喜びとなるんです
靴職人である哲司さんは、そうおっしゃっていました。
最近
プチプラ靴が流行っています。
高い靴買っても痛い・・結局どの靴履いても痛い・・
だからプチプラでいいんじゃない??
靴は消耗品だから・・
そう思っている方多いのではないでしょうか?
でも
その靴の機能は決して足に良いとは言えないものが多いです。
柔らかすぎて足を守るホールド機能が弱かったり、柔らかすぎて型崩れする。
逆にデザイン重視で足になじまず、歩くという機能が損なわれている。
ゆるゆるでスリッパのような靴。
いずれも価格は嬉しい靴であっても、足に良いとは言えない靴がとても増えました。
それが足を歪ませ、タコや魚の目など足トラブルの増加につながる場合が多いです。
あなたの足を守るべき靴の役割
安くて素材も機能もよい靴なんて、ありえないはずなんですよね・・
安価な靴を作るには、靴のクオリティを下げるしかないと思いませんか?
このところ、地方の靴屋さんはどんどん減ってきているそうです。
都心の靴屋さんも店舗を持たず、通販に出店するケースが多くありましたね。
通販で買うのはとても簡単です。
せっかく靴の知識を持って、足の知識も持って、フィッティングの知識も持っている方々が、足の計測だけではなく、
お客様にあった靴選びのノウハウを店頭で伝えることが難しい現状となっています。
つまり通販で靴を買っていると
フィッティングのノウハウも知らず、自分で間違った知識で買ってしまう。
自分の足に合っているか合ってないかも知らずに買ってしまう。
「なんとなく」の感覚で履いているはずです。
その状態で靴選びをし続けていると足トラブルだけではなく、身体の不調も引き起こす要因となることもあります。
なんとなく前滑りしているけど指に力を入れて履けば履けないこともない。
踵がパカパカするけどいつもだから我慢する。
これが足のトラブルを引き起こすだけではなく、膝や股関節にも影響を及ぼすことになっていくケースも。
あるお客様が、サロンドピュアボディに「毎晩足がつるから熟睡できない」とご来店でした。
フットケア足型診断をして靴の診断もした結果、靴の構造に原因がありました。
靴を見直していただいたら、
「全然足がつらなくなりました!」と喜んでいただきました。
てつじ屋さんの靴も、フルオーダーの靴を作るだけではないそうです。
足の採寸をして、お客様の足の特徴を長年の経験から察知し、その足に合いそうな木型の靴を試し履きしてもらい
「どこが当たっているのか」
「どこにトラブルが出やすいか」
足の運び、足の外流れ、疲れ方など細かくヒアリング
そしてそれがジグソーパズルのようにピタ!と納まると木型のイメージが出来上がるそうです。
そのイメージがカタチになるまで、3年という長い期間を要するんですね。
哲司さんは
「オーダーの靴しか履けない。そうではなく、どんな靴なら履くことができるか、それを自分で知っておいてほしい」
と語っていましたが、私もそう思っています。
哲司さん曰く
「靴をセールで10000円で買ったのに、合わなくて2回しか履いてない。」
「50000円くらいの高い靴でも、メンテンナンスしながら20年以上履ける靴」
「どちらが買い物上手ですか?」
とおっしゃっていました。
この問いかけにあなたはどう思いますか?
余談ですが・・
誰もが知っている靴ブランド フェラガモ
創始者であるフェラガモは、
「足を痛めない靴」を製作するため、
南カリフォルニア大学で解剖学を学んだ職人だそうです
そのフェラガモの言葉に
自由に歩けるということは、
人生を、自信を持って歩いていけるということ
胸を張って歩くこと、それは初めて会う人にも好印象を与えます。
あなた自身の生きる姿勢にリンクする場合もあります。
あなたの未来さえも変えるかもしれないですよね。
何十年も愛し続け、自分の足に馴染んだ靴、自分の歴史を知っている靴をメンテナンスしながら
いつもピカピカにして履いている姿もかっこいいと思いませんか?
美しさに限界はない。
デザインに飽和点はない。
そして靴屋が製品を飾るために使う素材に終わりはない。
素敵ですね。
しっかりと足を知り尽くし、その足を守るため、一生涯歩けるための靴をプライド持って作る靴職人
なかなか手が出ない・・ちょっと敷居が高い・・
でも、いつかは
「私の足を熟知してくれている靴」
そんな靴を足の健康のために見つけてあげるのもよいですよね。
それが、あなたの足の一生涯のベストパートナーである1足になっていくのかもしれません。
あなたが、あなたの足のことを知る事
自分の足のサイズだけではなく、状態を知る。
そこから足元の健康のスタートラインです。
フットケアで足をリセットして、タコや魚の目、角質のケアをして、
どこが足のトラブルが出やすいかを自分で知って、フルオーダーの靴を注文したり、
自分の足に合った靴を自分で選んで履く。
これが理想的ですね。
今回のインタビューご協力
上田哲司さん
2002年靴つくりスタート オーダーメイドシューズ東京銀座 てつじ屋代表
いかがでしたか?
これからの靴業界もAIの技術で進化するかもしれません。
それには、哲司さんのような靴の知識と足の知識、両方持っている人が必要だと思っています。
靴業界とフットケアもの関係も、もっと密接になっていけたら素晴らしいことだと思っています。
今まで施術してきたお客様の足のデータが、「履きやすい靴」を作る過程に活用できたら嬉しいですね。